FXでエントリーを検討する際に、まず考えるのはロング(買い)なのかショート(売り)なのかだと思います。
チャート分析やトレードシナリオの構築に不慣れな方が抱えるトレードの悩みとして、
- 往復ビンタを食らう。
- そろそろ反転するだろうと考えてエントリーしたのにそのまま抜ける。
- このまま伸びると思ってエントリーしたら反転した。
- 買うべきか売るべきか迷ってしまってエントリーできなかった。
などといったケースがあります。
これらの悩みは全て、トレンドをしっかりと把握できていないことが根本的な原因です。
エントリーまでに根拠を持ってトレンドを定義し、目線の固定や切替がしっかりとできれば、どっちつかずの無駄なエントリーを回避できるほか、どんな結果でも受け入れられる自信を持ったエントリーに繋がります。
ここで言う根拠とは、オリジナル手法やただのマイルールではなく、相場参加者の大部分が意識するトレンドに関する理論、すなわちダウ理論に基づいた基準になります。
本記事では、ダウ理論という根拠に基づいてトレンドを定義し、具体的に目線の固定や切替ができるポイントを示したうえで、最終的に優位性の高いエントリーポイントを導き出す方法をお伝えしますので、最後まで読んで参考にしていただければ幸いです。
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目線の先はトレンドの方向を見ている
FXにおける目線とは、チャート上の各時間足において、より優位性が高い方向に着目することを指します。
簡単に言うと、トレンドが発生している方向を強く意識するということです。
- ロング(買い)が伸びやすいチャートは上目線やロング目線
- ショート(売り)が伸びやすいチャートは下目線やショート目線
と言い、それぞれの方向に対してエントリーすると得られる値幅が伸びやすいと考えられます。
トレンドの定義はダウ理論がベース
トレンドを把握するためには、基本知識としてダウ理論を知らないといけません。
ダウ理論はトレンドを定義するFX界隈では超有名な理論です。
〇上昇トレンド
高値も安値も切り上げて価格が上昇し続けている状態。
〇下降トレンド
安値と高値を切り下げて価格が下降し続けている状態。
ダウ理論に基づいて上昇トレンドか下降トレンド、それともトレンドが出ていないのかを把握します。
トレンドの定義「レンジも含めてそれまでの流れを継続していく」
トレンドは価格が一方向に継続的に伸びている状態を指します。
ダウ理論上、「トレンドは明確な反転シグナルが出るまで継続する」ので、
上昇トレンドの場合、
・高値が安値を下回らない
ことが条件になります。(下降トレンドは逆に考える)
ただ、よく見かけるトレンドを説明する図解では、値動きを抽象化して矢印や直線で表現しています。
しかし、実際のチャートはもっと複雑であり、単純に認識することは難しいです。
例えば、トレンドの調整局面においてヒゲで高値や安値を少し割っていたりします。
トレンド判定の判断を迷わせてしまうのは、途中で一旦レンジ相場に入り、押し安値や戻り高値の規定が曖昧になってしまうからとも言えます。
ただ、長期的な目線で見れば、元のトレンドに戻る動きが発生して大きな波を描いていきます。
結局のところ、トレンドはレンジの部分も含めてそれまでの流れを継続していくものと捉えるべきです。
そのため、大局の流れに逆らわないトレンドフォローが推奨されています。
トレンドはより上位足に引っ張られる
トレンドはその性質上、より上位足の方向に引っ張られます。
1時間足であれば4時間足、4時間足であれば日足、日足であれば週足、週足であれば月足
といったようにです。
ただ、単純に1段階上の時間足に引っ張られるというわけではありません。
たとえ1時間足でも、日足や週足の方向に引っ張られるのはよくあることです。
これは、同じ目線を持った相場の参加者が増えるため、上位足のトレンド方向に価格が向かっていくとも言えます。
トレンドは下位足から転換していく
では、逆にトレンドが転換するタイミングはどこでしょうか?
答えは、下位足からです。
秒足→分足→時間足→日足→週足→月足
といった順番でトレンド転換します。
トレンド転換が重なる場所=目線を切り替える場所
チャートは各足でそれぞれのトレンドを刻みながら、大きい時間足のトレンドを形成していきます。
トレンドが崩れるのは、押し安値や戻り高値を突き抜けた時と考えられる以上、下位足の押し安値や戻り高値が上位の足のそれと重なる場所は相場参加者たちの注目が集まっている場所です。
そのポイントを突破、もしくは反発することでトレンドが継続するか転換するか大きく意味が変わってきます。
つまり、目線を切り替える場所は、押し安値や戻り高値をローソク足の実体で抜いて確定した時です。
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目線決めの具体例
仮にこんなチャートがあったとします。
それぞれのタイミングの高値、安値は②の画像の通りです。
まだ分かりにくいので、水平線を引いてみます。
節目になりそうな高安値に水平線を引きます。
トレンドの前半部分にフォーカスしてみます。
直近安値を緑の〇で抜けているように見えますが、
すぐに折り返してオレンジの〇で高値更新しているので、上目線になります。
(そもそも、一番左端の高値を作った安値を更新していないので上目線のままだろ、という意見が聞こえますが、図の中ではという意味で捉えて下さい。)
次に後半部分に着目してみます。
一見して、下降トレンドに転じているように見えますが、どうでしょうか。
オレンジの〇で最高値を更新することができませんでした。
そして、緑の〇で直近の安値を更新しているので、下目線になる。
と言いたくなりますが、この時点では、まだ上目線のままになります。
なぜだか分かりますか?
そうです、最高値を作った押し安値から伸びるネックラインを割り込んでいないからです。
紫の〇部分でネックラインを割り込み、その後、黄色の〇で高値を更新できなかったことで初めて下目線になったと言えます。
以上のように画像で具体例を示してみましたが、これらは結果が分かった状態で見ているのでなんとでも言えるという点に注意が必要です。
実際のチャートでは、リアルタイムにトレンドが形成され、本当にネックラインを割ったと判断できるのか、高値や安値を更新しないと言えるのかは不透明です。
紫の〇でネックラインを割って安値を更新しても、そこから最高値を更新する可能性は普通にあり得ます。
ただ、これまでの相場参加者達が長い期間をかけて、データをもとに検証をしてきた結果、
ネックラインを割り込んだ場合、高値を更新する確率が低いと判断してきたことから下方向に対して優位性が高くなっている状態と言えます。
トレードというものは、そういった不透明さに対して期待値や優位性という根拠を積み重ねてエントリーをし、それを繰り返して利益を積み上げるものになります。
目線は人によって異なる
それぞれのトレードスタイルによって監視している時間軸が違うため、人によって目線が異なります。
例えば、
- スイングトレーダー(長期的目線)
- 監視:週足や日足がメイン
- デイトレーダー(中期的目線)
- 監視:4時間足や1時間足がメイン
- スキャルピングトレーダー(短期的目線)
- 監視:5分足や1分足がメイン
のように波形のとらえ方が違い、目線の大きさに差が出るためです。
具体的に下図のようなチャートで示すと、同じチャートの同じ瞬間を監視していても微妙に目線と次の到達目標地点が違うことが分かります。
目線を定める=環境認識を行う
目線を定めるには、しっかりとした環境認識を行う必要があります。
環境認識の精度が上がるとエントリーして良い場所と悪い場所が見えるようになります。
目線の固定
環境認識が終わり、トレンドを把握した段階で目線を固定します。
これは、ダウ理論の6つの原則のうちのひとつである
〇トレンドは明確な反転シグナルが出るまで継続する
を根拠にしています。
上昇トレンド中であれば上目線、下降トレンド中であれば下目線となり、それぞれの目線に合わせたトレードシナリオを構築していきます。
不安を感じたらエントリーしない
チャートの動きを100%予測することは不可能なので、構築したシナリオとズレが生じることはよくあります。
価格が理想のポイントに到達しないことや逆に行きすぎてしまうことなどが例として挙げられます。
それでも、最初に時間をかけて構築したシナリオを一瞬の値動きだけを見てひっくり返すのはダメです。
もし、どうしても目線に不安を覚え、切替が必要かと考えた場合はエントリーをせず、もう一度環境認識からやり直しましょう。
結果がどうであれ自分のトレードスタイル上の目線を根拠を持ってしっかりと固定し、ブレずに自信を持ってエントリーからクローズまで繋げることの方が後々のメンタルやトレード人生に良い影響を与えてくれます。
まとめ
トレードにおいて、目線を固定することは極めて重要になります。
相場はどの時間軸で見ても常に上下運動を行っているため、いちいち目線が変わるとエントリーできそうなポイントがどうしても見えてきてしまい、それが勝率や期待値を下げる原因になってしまいます。
ダウ理論に基づいて、トレンドは継続するという前提で目線を固定し、しっかりと期待値のあるエントリーを繰り返していけば勝手に口座残高は増えていきます。
まずは、自分なりの目線の固定方法を定義してみて下さい。
この記事を読んだ全てのトレーダーのトレードライフが向上すれば幸いです。
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コメント
Good to know.
Thank you for the comment.
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