レジスタンスラインやサポートラインをある程度引けるようになると、今度はそれらの精度(利き具合)が気になってきます。
ローソク足が自分の引いたラインに触れた瞬間にばっちり機能してくれるのが理想ですが、
実際のところ、そのラインぴったりで価格が反転したり走ってくれることは少ないのではないかと思います。
- ラインを抜けたと思ったのに戻ってきて反対方向に行った。
- ラインで反発したと思ったのに突き抜けて強いトレンドが発生した。
- しっかりとローソク足の確定を待ってエントリーしているのに、なぜかうまくいかない。
こんな経験をされている方も多いはずです。
原因としてプライスアクションの確認不足(ポジポジ病とか待てないというやつも含みます)もありますが、ライン抜けの判断基準が曖昧な場合が多々あります。
では、レジサポラインを抜けたのか抜けていないのかの判断基準はどう定めるべきでしょうか?
今回は、レジサポラインの抜け判断の基準をローソク足のヒゲで見るか、実体で見るかも含めて詳しく解説します。
ライン抜けの基準をしっかりと定義することで、次に取るべきトレード戦略が明確になりますので、日々のトレードの参考になれば幸いです。
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ライン抜けの判断はローソク足の実体で確認すること
まず結論からお話しすると、ライン抜けの判断基準はローソク足の実体で確認します。
後述しますが、さらに精度を高めるには自分のトレードの執行時間足での実体判断が必要になります。
ヒゲは、先端の価格まで短期のローソク足が走ったものの、自分が狙っている時間軸のローソク足を含む長期のローソク足では実体として残らなかったことを意味します。
つまり、ローソク足がどこの位置で確定したかが重要になります。
どこまで伸びたのかはそこまで重要ではありません。
ちなみに、どちらか一方に極端に長いヒゲが形成される時というのは、急激な価格変動が発生したうえ、反対方向への売買圧力が強く働いたことを意味します。
誰もが意識するラインを引けているかが前提
ラインを抜けたか抜けていないかを考える前に、大前提として多くの相場参加者に意識されるラインが引けていないと話は始まりません。
水平線やトレンドラインを引くことに慣れるには、とにかくチャートとにらめっこが必要です。
よく意識されるラインとしては、直近高安値付近の価格帯やネックラインなどが挙げられます。
また、環境認識を行う際に自分が引いたラインが意識されているかどうかの判断基準は、その価格帯でレンジ相場が形成されているかどうかを確認してみて下さい。
レンジ相場が形成されるのは、その価格帯を節目に売り買いの攻防が繰り広げられるからで、最終的に勝者側の方向にトレンドが形成されていきます。
つまり、そのライン上ではロングしたい派とショートしたい派が同じくらい存在していることになります。
必然的に相場参加者からは「どっちに動くのか?」といった注目が集まりやすくなるため、そこにラインが引ける可能性が出てくるということになります。
一方で、短期足になればなるほどその精度は落ちます。
永遠に続く相場の中では、短期の時間軸での変動はノイズでしかないからです。
なので、短期足の中でのレンジ相場で節目の価格帯を抜けたかどうかの判断は上級者でもかなり迷ってしまいます。
逆に言うと短期足は参考程度に見るだけにした方が良い・・・いや、むしろ見なくてもいいかもしれませんね。
ライン抜けの定義
”ライン抜け”というのは、ローソク足が自分が注目する価格帯に達し、値動きが止まったあとに再度動き始めるサインとほぼ同義になります。
ライン抜けの判断
自分が監視するメインの時間足でラインを抜けたかどうかを判断していきます。
最終的に抜けたかどうかの判断は、ローソク足実体の確定をもって判定します。
ただし、注意が必要なことがあります。
過去に何度も反発していたラインやネックラインを一瞬抜けることが結構あります。
ヒゲを残して確定すれば「まだ抜けていないな」と判断できるトレーダーもいると思いますが、特に大陽線や大陰線の実体で確定したローソク足には注意が必要です。
過去に何度か反発を繰り返していた水平線にレートがぶつかった時に、ローソク足が勢いよく伸びて、すぐに元のレートに戻る場面があります。
これは、大口機関投資家などが主に初心者の損切りを刈り取ってレートを大きく動かしていると言われています。(あくまで噂です)
俗に”ダマし”などと言われますが、ダマしに遭わないようにするにはライン抜けの信憑性が低いうちにエントリーしないことを徹底すべきです。
ライン抜けの信憑性が低いというのは、1本のローソク足だけでライン抜けの判断を下すのは、よほど一方通行のようなチャートでない限りかなり危険だ。ということです。
無駄な損切(損失)を増やさないようにするには、そもそも手を出さないことやローソク足の塊の様子(プライスアクション)、チャートパターンなどから判断するといった方法が推奨されます。
ラインではなくゾーンで考える
また、個人的には基準となるラインは、線(価格)ではなく幅(価格帯)としてイメージした方がいいと思っています。
詳しくはこちらの記事を参考にして下さい。
トレード執行足での実体判断
1分足や5分足(トレードスタイルによっては1時間足までも)などの短期足でローソク足の実体を伴うライン抜けを確認できたとしても過度に期待してはいけません。
なぜなら先述の通り、短期足は相場においてノイズが発生しやすいからです。
ただ一方で、短期足でライン抜けしないと上位足でもライン抜けしないので、その見極めがとても重要になります。
そこでポイントになり得るのが、次のトレンドに向けてしっかりと足元(天井)を固めているのかということです。
足元を固めているか確認する
ライン抜けは、レンジ相場の中でさらにレンジ相場を作りながら、ジリジリと力を溜めるようにラインに近づき、最後にギュンと勢いよく抜けていくような抜け方が一番信憑性が高いと思われます。
一般的には「この価格帯での底(天井)固めを~・・・」などと説明する方が多いのではないでしょうか。
上の図で言うと、上下の赤いラインで形成されたレンジ相場の中に、黒丸部分でさらに小さなレンジ相場を作っています。
また、抜けて上昇したあとに一旦下がってきていますが、もともと引いていた赤いラインの価格帯に止められて再び上昇し始めています(ロールリバーサル)。
トレンドフォロー型の手法の場合、エントリーを考えるのはこのロールリバーサルの辺りです。
時間軸を短期に落として細かな値動きを確認しつつ、トレンドラインやその他のツールを駆使してタイミングを計ります。
短期足の中で再度上昇のサインが確定したらエントリーしていきます。
トレード執行足と上位足のトレンドを確認するべき
ダウ理論上、基本的にトレンドは継続します。
ダウ理論についての詳細はこちらを参考にして下さい。
トレンドが継続するという前提で考えると、一旦意識されるラインで値動きが止まったように見えるチャートでも、いずれトレンド方向に抜けて再び価格が大きく動き出すことが想像できます。
また、トレンドは最終的により長期の時間軸のトレンド方向に向かうという性質があるので、上位足の環境認識が不可欠となります。
ライン抜けからのエントリーの注意点
具体的にライン抜けからのエントリーでの注意点をいくつか解説していきます。
1.ブレイクアウト時
ライン抜けと聞いてパッと想像するのは、このブレイクアウトではないでしょうか。
ブレイクアウトを採用した手法についてはライン抜けの直後にエントリーしていくため、エントリー後の含み損がほぼない状態で利益を最大化しやすいというメリットがあります。
一方で、ブレイクアウトしたものの、そこからの上昇や下落に勢いがなく結局レンジ内に戻ってきてしまうことがあります。
※ブレイクアウト時のエントリーで失敗する前に
①ライン上限(下限)でのレンジ相場を確認
底(天井)固めと言われる狭いレンジです。
②ラインを大きく抜けたローソク足だけで抜け判断をしない
トレンドに勢いがある場合はそのまま継続して価格が伸びていってしまい、この経験があることで「この上昇(下落)に乗り遅れたくない!」という心理が働いて、ポジポジ病の誘発に繋がってしまうので注意が必要です。
③②のローソク足確定と同時にエントリーしない
ダマしに遭って一瞬で大きな含み損を抱えてしまう可能性があります。
想定していなかった場合、メンタルが崩壊して多額の損失を出すことに繋がります。
2.ダマし
ダマしに遭った場合、頂点で天井買いや底値売りといった反対方向にエントリーしているため一瞬で損失が大きく膨らんでいきます。
まず、ダマしに関係なく、ローソク足の確定を待たずに突っ込みでエントリーすると大概そうなります。
では、ローソク足の確定後なら問題ないかと言われればそれも違います。
しっかりとローソク足が実体を残して確定した場面でも、たった1本のローソク足だけでエントリー判断を下すのは早計すぎる場合が多々あります。
あくまでもその瞬間の相場状況だけでなく、これまでの相場の流れ(トレンド)やボラティリティなども加味したうえでエントリー判断を下す必要があります。
まとめ
基本的にライン抜けは、ローソク足の実体が相場参加者の多くが意識するラインを越えて確定した段階で抜けたと判断します。
しかし、単純にラインを超えたからという理由だけでエントリーすると痛い目に遭うので注意が必要です。
ライン抜けに至るまでのトレンド状況や上位足の状態、ボラティリティなど他の要素も総合的に考慮して判断する必要があります。
また、ラインを抜けたあとにしっかりとロールリバーサルが確認できて初めてライン抜けが完成したとも言えます。
と、ここまでライン抜けについて色々と語ってきましたが、正直に言って”ライン抜け”というのは相場に対してトレーダー自身が勝手に決めていることです。
と言うよりも、テクニカル分析全体を通して当てはまることだと思います。
過去のチャートを分析して未来の値動きを予測すること自体は否定しませんし、むしろ私自身もそれで日々戦っているので有効なのは理解しています。
ただ一方で、チャートに規則性はなくランダムに動いているものなので、あくまでも自分なりの予測の補助的な役割程度に考えておくべきだと思います。
経験や蓄積してきたデータをもとに得意なパターンを導き出し、それに期待値をかけて淡々と売り買いを繰り返す。
さらに資金管理を加えて自分の手法を確立しておけば口座資金はいつの間にか増えているはずです。
今回の内容が皆さんの日々のトレードのお役に立てれば幸いです。
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